一例としては下記のような売値の決め方あるいは売りのタイミングの決め方がある。
下記リストの上から順に検討すると良い。
ここは各投資家のノウハウやそれぞれのアルゴリズムがあるところ。利益になるなら適当でもOK。
※前提:日本株・現物・決算日と配当基準日をまたがない取り引き・スイングトレード
- 過去の高値周辺の値
- ボリンジャーバンドの2σライン(3σライン)の値
- 取得価格から固定値(例えば100円)だけ上がった値
もしくは取得日から2週間程度後で最も株価が上がったタイミング - 決算日・配当基準日直前のタイミング
- 他の投資しても良い銘柄の株価が下がったタイミング
- その他: 高値の値とそのタイミング予測
- その他: ネガティブな材料が出てきたとき
1. 過去の高値周辺の値

2025/06/12 8473 SBI の例
直近4000前後で株価を取得した場合。
過去1年間の高値は4200前後が続き直近は4600くらいとなっている。ただし、4600を超えているのは一瞬で存在確率は4500付近が高い。
2024/08と2025/04の下落はSBIとは無関係のパニック売りに起因するものなので、過去1年で4200から本来は緩やかに上昇していると考えると、4500くらいで売るのが妥当だとわかる。※ネガティブな材料がなければ
したがって、確実に売却するために、1%ほどマイナスした4450とするのが良い。
2. ボリンジャーバンドの2σライン(3σライン)の値

2025/06/12 3663 セルシス の例
直近1400前後で取得した場合。
正規分布想定の±1σ, ±2σ, ±3σ はそれぞれ68%, 95%, 99%の確率を示すことから、2σライン→3σラインを超えることは非常にまれであることがわかる。
また、銘柄によるが、株価上昇時ある程度1σか2σのラインに貼り付きながら推移していることが確認できる。今回の場合は2σライン。
したがって、売り値を1550に設定するのが良い。株価が急上昇している場合には3σラインを一瞬超えることがあるので1600以下に設定しても良い。
3. 取得価格から固定値(例えば100円)だけ上がった値
もしくは取得日から2週間程度後で最も株価が上がったタイミング

2025/06/12 7453 良品計画 の例
直近6000で取得した場合。
一定期間上昇し続けている場合、過去の高値もボリンジャーバンドも参考にならないので、比較的リニアに推移している期間の傾きから2週間(市場の稼働日10日)分でだいたいこれくらい上がりそうだという値を設定する。
今回の場合は +450[円/月]で推移しているので、+225[円/2週]と考える。
したがって、売り値を6225と設定するのがよい。
注意点としては決算前、株価がもみ合っているときには取得しないこと。ネガティブな材料があると、暴落して数年塩漬けのリスクがある。
4. 決算日・配当基準日直前のタイミング

2025/06/12 8411 みずほ の例
2025/03/初週で4200を超えていたときに取得した場合。
03/26 は配当基準日(この日に株式を持っていれば後に配当金がもらえるという日)。
みずほは配当利回り約4%と利回りが比較的高い。配当利回りが高い銘柄は株式取得が集中して株価が上昇しやすく、配当基準日の数日前に利確売りされて株価が一時下がりやすい。
したがって、売り値は事前に決めずに、取得価格より高ければ、配当基準日の1週間前を目安に売却を検討する。
含み損となっている場合には配当金が得られるので売らないというのも良い。銘柄によっては優待による実質的な利益のほうが高い場合があるのでその点も考慮して決めると良い。
5. 他の投資しても良い銘柄の株価が下がったタイミング
2025/05/29 以前にSBIの株式を4200で取得していて4500で売却予定だった場合を例に示す。
05/29にお昼の時点で4425まで上昇した場合の売却判断を検討する。
下記図中①~⑥のグラフの読み取りから判断していく。詳細は下記に続く。
※画像は05/29当日のものではなく06/12時点のもの

①05/29はSBIとNTTとの提携の噂が流れこれがポジティブな材料と見られて急騰した。売却予定価格4500は過去の実績から到達する可能性はある。4425で売却せずに4500まで持ってから売却した場合+75が追加の利益。
②直近の株価は上昇している。
③しかし、MACD、出来高から上昇から下落に転じる直前だったとわかる。
④05/29にイレギュラー的に急騰したため、05/30以降利確売りで急落するか、上昇しても4500付近と見られる。
⑤2025/05/29 時点のセルシスの株価は1430で、チャート(日足)・MACD・出来高を見ても下落から上昇に転じているところである可能性が高い。これから底値になるか、上昇の途中である。
⑥セルシスは過去の高値から1550で売却できる可能性が高いので、1430で取得→1550で売却なら利益は+120。
SBIを4425時点で売却せずに4500で売却したときの追加の利益が+75であるが、SBIを4425で売却して全部セルシス株を取得するのに使った場合、+120が利益となる。
したがって、当初の売却予定価格の4500から下げた4425で売却するのが良い。
6. その他: 高値の値とそのタイミング予測
基本的にどのタイミングでどこまで株価が上がるかは予測できない。
各投資家のノウハウやそれぞれの売買アルゴリズムがある。
しかし、2024/08と2025/04の大幅な暴落などは前日に兆候は把握できるかもしれないが、統計データとは無関係の要因(アメリカ大統領のトランプ氏の発言等)によるものなので、各投資家の売買テクニックもさして当てにならない。
7. その他: ネガティブな材料が出てきたとき
例えば、2024/11時点のアメリカ大統領選ではトランプ氏が当選すると追加関税をする(輸出入に影響→ほとんどの企業利益悪化する)ということはわかっていたので、2025/01の就任前にできるだけ株式などのリスク資産を整理しておく必要があった。実際に日経平均は当時下落していた。
なお、売却しなくても問題ない。
1~3ヶ月くらい売却予定タイミングが後ろ倒しになるだけ。